やさしさのエネルギーチャージ  〜後編〜

みまもりあいプロジェクトを始めた理由

父の葬式の時、久しぶりの親族が集まりました。私の実家は栃木の那須です。
観光地のイメージがありますが、夏は涼しく良いのですが、冬はとても寒いのです。

父のお通夜の時、久しぶりにあった父の弟(叔父)ですが、様子が変でした。娘が「靴下…左右違うの履いてるよ」と最初にいいました。

お通夜だから急いで来たわけではなさそうで、それとなく様子を見ていました。叔父は「認知症」だったのです。長期記憶はあるものも、短期記憶が全くダメなようでした。兄である父が病気だったのはわかっていたのですが、亡くなった話は何度伝えても初めての話のようになっていました。どうして今ここにいるのかもわかっていたり、いなかったり、忘れてしまったり。。。

仕事柄そういう方と接していたので、対応に困ることはありませんでしたが、結局、「大変ですよね」とお通夜も、葬式も滞りなく終わりました。

父の一周忌は母が亡くなっていたこともあり、姉と弟と子供達だけで済ませて、叔父や叔母には葉書連絡としました。

そして、年が明けて2月の末、叔母から電話が入りました。

「叔父が亡くなって明日がお葬式です」と。
「急にどうされたんですか?ご病気ですか?」

電話は私にとっても衝撃的な事でした。

「実は、去年の12月から行方不明で、2月になって山で見つかった…」と。

叔父は認知症で、一人歩きをしたのです。そのまま行方が分からなくなりました。もちろん家族は捜索願いを出しましたが、年が明けても見つからず、(山の方へ行ってしまったようです)山といっても私の知っているその地域は山登りとかをするそんな山ではありません。その年は雪が割と多く降った冬でした。叔母も「警察から連絡があってね…」と、あまり詳しくは語りませんでした。
わかったことは、

「一人歩きをして、行方不明。2ヶ月後に遺体で発見された」

という事実でした。

 

私の父は一人暮らしを20年していました。癌の発症後、言うことに少し辻褄が合わないことがあり、私の経験上認知症だと思ったので脳の萎縮をMRIで確認してもらいました。
医者の判断は「中度のアルツハイマー型認知症」でした。普通では一人暮らしは心配なところです。それでも老人ホームに入れることには私は反対で、それならば。と、週に1〜2日。何かあると多いときは3日実家へ様子を見に行ったり、姉と弟と順番に電話をしたり、地域の民生委員さんや父の友人知人に様子を見に行って欲しいとお願いしていました。

結果、父の最期は癌で子供達に看取られ旅立ちましたが、叔父の最期は誰にも看取られない、悲しい最期だったのです。

 

私は自分の父親には最大限の出来ることを考え実行しました。それに比べて叔父には何も出来ませんでした。こういう結果で、自分を責めている訳ではありませんが、どうしても、考えずにはいられないのです。

一人の力ではどうしても限度があると思います。人は誰しも「相手を想いやる気持ち」を持っています。何かのタイミングで一声かけたことで、別の結果が生まれて来ることもあると思っています。

そこが私が
「みまもりあい♡プロジェクト〜やさしさのエネルギーチャージ〜」
を世の中に拡めたい理由です。
助けてもらいたい誰かと、助けてあげたい誰かの気持ちが、アプリを介して通じ合う。そして、誰かの大事な人を地域みんなでみまもっていくツールの一つとして活用さる。〜やさしさのエネルギーチャージ〜良いと思いませんか?

最後になりましたがこの「みまもりあいアプリ」は厚生労働省H28年度介護ロボットを活用した介護支援技術開発支援モデル事業であるとともに、私たちの「たまプラーザみまもりあい♡プロジェクト〜やさしさのエネルギーチャージ〜」は令和元年青葉未来おこし補助金の採択事業でもあります。

近い将来、このみまもりあいのアプリが携帯に最初からインストールされ、私たちプロジェクトメンバーは使い方だけを皆さんに伝える人になっていることを願っています。

 

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