防災にもアロマを  〜後編〜

災害時 お役立ちエッセンシャルオイル
「ティートリー・ペパーミント・ラベンダー」

※薬理効果を期待する場合に選ぶエッセンシャルオイルは、必ず品質を確認してください。メーカーごとに抽出方法や原材料の植物の摘み取り時期など こだわりがあります。好みの香りで選ぶなど、お好きなメーカーを探しておくと良いと思います。

★ティートゥリー

原産国オーストラリアの原住民アボリジニはティートゥリーの優れた治癒力を古くから利用してきました。スーッとした香りは呼吸器の不快も助けてくれます。

●抗菌
いわゆる「ばい菌」と言われる「細菌、ウィルス、真菌(カビ)」の除去にが期待できます。1本で全部に効果が高いと言われているところがポイントです。高品質なものは皮膚に直接塗布することもできると言われていて、幼児から老人まで使用可能です。。少し皮膚刺激がありますが、赤ちゃんへの使用もOKだと言われています。災害時には感染症が避難所で流行しがちです。マスクやハンカチ、タオルなどに3滴くらいを垂らして定期的に香りを嗅ぐか、または、足の裏に塗ることでゆっくりと身体の中に成分が入り身体を護ってくれます。

●免疫力向上
ティートリーの主要成分モノテルペンアルコールは免疫機能向上作用があります。免疫力は免疫細胞が関係しています。ティートリーは免疫細胞をバランスよく増やしてくれるという効果が期待できることから、災害時、様々なストレスで体力が落ち、免疫機能が低下して病気になりがちな体のサポートとになると言えるのです。
☆病原になる原因となる3大要素をやっつける働きと共に、免疫力を向上させてくれる効果が期待できるティートゥリー。災害時は、桶や洗面器などに1滴~3滴垂らして近辺の拭き掃除や身の回りを清潔に保つことができます。

★ペパーミント

成分のメントールが胃腸の機能を高め、消化不良の改善に適しています。

●胃腸のトラブル
メントールのもつ「健胃作用・抗菌作用・鎮痛作用・血管収縮作用」が医薬品の材料として使われているように胃の不快感を取り去りスッキリさせてくれます。避難所での衛生面から「胃腸のトラブル」も問題になります。直接塗布できるメーカーのものなら、胃や腸のあたりに1滴塗ることで不快感を和らげます。桶や洗面器に1~3滴垂らして近辺の拭き掃除や身の回りを清潔に保つことに役立つとともにスーッとする香りは「デオドラント」もあります。

●痛み
湿布薬の独特なスーッとした感じは「メントール」という成分。ペパーミントにはこのメントールが含まれているので、スーッとした感覚で痛みのある場所に役立ちます。

ペパーミントは原液を塗ってしまうと、スーッとした感覚を通り越して「痛い」くらいスーッとします。桶や洗面器に1~3滴垂らしハンカチやタオルを絞って患部へ当てます。災害時に氷やお湯などはなかなか準備できないこともあると思いますが、布類(タオル、ハンカチなど)を少し濡らして布の表面に精油を垂らし揉み込んで、痛い部分に当てれば簡易湿布としてお役に立てるのです。

●冷やす
「痛み止め」と同じようにこの湿布をすることで「冷やすこと」に役立ちます。ペパーミントには「解熱作用」もあります。発熱時は簡易湿布で「熱を下げる」ことができます。冷たくできる環境があればOKですが、追加でペパーミントが使えるのであれば、解熱剤など薬が無い時の応急処置には役立ちますし、怪我をして冷やす場合は、ペパーミントを1滴、ラベンダーを2滴合計3滴で湿布をすれば「冷やして炎症を鎮静させる」こともできるのです。

★ラベンダー

火傷といえばラベンダーを思い浮かべるくらい皮膚トラブルへの用途が広く知られ「万能オイル」と言われています。

●皮膚トラブル
数多くの書籍でも紹介されているように、患部を冷やしてラベンダーを直接塗布してケアします。ラベンダーは、虫刺されにも直接塗布することが可能なオイルと言われています。

虫刺されにおいては、すぐに塗ると解毒が早く、酷い痒みに至らないと言われています。主要成分のリナロールが「鎮静・鎮痛・抗炎症」をサポートします。また、細胞成長促進作用といって、皮膚の生まれ変わりのサイクルに働きかける効果にも優れています。

●デオドラント
優れたデオドラント効果を持っています。悪臭の元となる芳香分子を包んでOFFする効果が高いので、香りの上塗りにならずトイレに持ち歩いたり、お風呂に入れない場合にも体臭予防としても役に立ちます。人がたくさん集まる場所には「臭い」がつきものです。「悪臭の分子を包む物」ということは避難所や災害時に身を寄せた場所の空気をキレイに感じさせてくれるアイテムになるのではないかと考えます。

香りは好き嫌いがあるので、迷惑にならないことも大切ですが、ほんのり香るラベンダーのアロマオイル(精油)の香りは、大人数の中で使用しても「良い香り」と言わなくても「邪魔になる香り」になることは不思議と少ないと思います。

●リラックス
ラベンダーと言えば「リラックス」の代名詞です。ストレスや緊張感から生じるフラストレーションの緩和やイライラ解消にも役立ちます。「興奮」や「ストレス」を感じたときに不眠などの体調不良を引き起こす原因にもってしいまいがちです。実際に東日本大震災では、ボランティアでのアロママッサージが避難所での不眠や緊張で体調を崩された方のケアにとても役に立ったと言われています。1滴を手に取って胸やこめかみ、背中など、足裏等、落ち着く場所に擦りこみ香りを嗅いでみてください。

●痛み
ラベンダーの主成分リナロールには鎮痛作用があります。頭痛、腹痛、ねん挫、肩こりなど体の様々な痛みにやわらかく働いてくれる効果が期待できます。ゆっくりと働きかけるので、即効性の痛み止めではありません。洗面器と水とタオルがあればペパーミントの「冷やす」でご紹介したように湿布を作ることが出来るので、湿布薬が無くても簡易ケアが可能です。

【おわりに】

ご家庭の救急箱にもこの3本はお勧めです。

エッセンシャルオイルの持つ薬理効果に焦点あて、災害時どう役立つか?を提案しました。

普段使い慣れていない方が災害時にどのように使えばいいのか?というのはとても難しい問題だと思います。

が、災害時の薬品物資の不足や、衛生面・感染症・心のケアもあると思います。天然成分100%のエッセンシャルオイルには、知っておくと災害時に役に立つ力があります。エッセンシャルオイルの薬理効果は日々研究され、多くに書籍も出ており認知されつつあります。
少しでも被災地・被災者の方へ応援の気持ちが届きます様に。

横浜/青葉台アロマセラピストのKeiでした。

2018.7.16  Lastoria〜ラ・ストーリア〜に掲載されたコラムです。

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