アメリカの最新アロマ事情  〜 アロマがお薬? 〜

★アロマってお薬の代わりになるの?

アロマと聞くと、日本では香りで心身が癒されたり、リラクゼーションするためのものを思い浮かべます。
エステでアロマテラピーを体験された方は、美容効果を思い浮かべる方が大半です。
ところが、海外ではアロマテラピーは医療としてその効果が認められています。
科学的にその効果が証明されているほど、心身に作用するパワーを持っています。

アロマテラピーとは植物から抽出した芳香成分である精油(エッセンシャルオイル)を使って、心身のバランスを整えていく事です。
一つのエッセンシャルオイルには、数十から数百種類もの芳香物質が含まれ、各成分に薬理作用があります。
そして、芳香成分は体内に入ると、鎮痛作用や抗菌作用、抗ウイルス作用など、さまざまな良い作用を及ぼします。

例えば「ラベンダー」は、エステル類の酢酸リナリルやアルコール類のリナロールが主成分です。
酢酸リナリルには鎮静作用があり、精神や神経の興奮を鎮める働きがあります。
香りの元となるものは、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、エステル類と言われるものなどで、炭素C,水素H,酸素Oの3つの元素が結合し、わずかな並びの違いでいろいろな香りが作りだされます。

「エッセンシャルオイルは科学です」

メディカルアロマとは、化学的な裏付けをもとに、精油の成分と薬理効果を利用することなのです。

★メディカルアロマテラピーの歴史

古代エジプトや古代ローマの時代から、人々は植物に含まれる薬理成分を病気の予防や治療に利用してきました。
漢方薬と同じように、医学として植物療法があったのです。
アロマテラピーという用語の生みの親は、ルネ・モーリス・ガットフォゼというフランスの化学者です。
1910年に実験中にやけどを負った彼は、ラベンダーの精油を塗ったところ、傷がきれいに治ったといいます。
メディカルアロマテラピーの始まりです。
1939年にガット・フォセが『アロマテラピー』を刊行してから、精油成分の作用に焦点をあてたメディカルアロマテラピーが世の中に普及し始めます。その後、フランス人医師 ジャン・バルネが受け継ぎ、臨床データによって裏付けられたアロマテラピーが確立されていきました。
フランスでは、メディカルアロマテラピーが医療行為として当たり前のように普及しています。
精油は医薬品同様に扱われ、病院には精油の薬理成分や処方に精通した専門の医師がいるのです。

 

そして…エッセンシャルオイルに多いのは、品質についての勘違いです。
「香りをかぐだけなら、品質はさほど気にせず、安いものでいいのでは」と思う人がいます。
日本では雑貨として扱われている為に、粗悪な品質のものもたくさん流通しています。
天然100%をうたいながら、農薬を使って育てた植物から抽出したり、香料を添付した合成品がたくさん売られています。
メディカルアロマとは、成分が大事なのです。」

★一方アメリカでは…

FDA(アメリカ食品医薬局)はいくつかのエッセンシャルオイルの内服を承認して、それらにGRAS(Generally Recognized As Safe:人間が摂取するにあたり一般的に安全と認められる)指定をしました。
身体に直接塗布することに加え、舌下やカプセル、飲料や調理にまで、幅広く使われています。
一例ですが…
ラベンダーは火傷のとき、冷水で冷やしたあと、直接塗布します。抗感染・消炎作用が認められていますので、皮膚の再生の助けになります。
ユーカリプタスは1.8シネオールが含まれており、喘息や気管支の症状の緩和に使われます。こちらも直接塗布することが出来るエッセンシャルオイルの一つです。
グレープフルーツ等の柑橘系のオイルはリモネンと言う成分が多く含まれ、朝・昼・夜・寝る前と こまめにお水などに入れて飲むことによって、身体の中を綺麗にする効果があります。


アメリカでは、エッセンシャルオイルを処方する病院がまさに建てられている最中でした。
「お薬にしますか?」それとも「エッセンシャルオイルにしますか?」
そんな会話も日常となるのでしょう。

(次回へ続くペット編)←次回は獣医さんがペットへに対する使い方の具体例を書きます。お楽しみに。

横浜/青葉台アロマセラピストのKeiでした。

 

2018.10.25 Lastoria〜ラ・ストーリア〜に掲載されたコラムです。

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